ただの日常、タダの呟き

誰にも活力を与えない脱力系ブログ


高校の
卒業式の日に。

所持金
2万円を持って、
家出をした。

とにかく。

取り巻く
すべてに
嫌気がさして。

家出した。

交通手段が
なかったので。

朝五時から
ママチャリ
乗って。

家出をしてみた。

携帯も、
カーナビも
ない時代。

交通標識の
青看板だけを
頼りに。

ペダルを
漕いで。

漕いで漕いで…。

気が付いたら、
誰もいない駅に
着いていた。

疲れ果てて。

無人の駅の
ベンチに
横になって。

どこかの
大学前の
駅だろうか。

ふと。

前を見てみると。

 

綺麗な桜が
咲いていた。

一本だけ。

咲いている、
という表現は
正確ではないが。

スポットライトに
照らされるように。

 

桜がちょっと
咲いていた。

その佇まいが
あまりにも
綺麗過ぎて。

心を揺さぶって。

ひとり勝手に
汚いパーカー
被って涙した。

あれから
かれこれ数年。

とりまく
環境や
付き合う人は
変わったが。

自分自身は、
何か一つでも、
成長しているのだろうか。

知識や経験は
増えたはずだが。

社会に適合する事に
ちょっと上手くなっただけ。

ちょっと
コズルくなっただけ。


んー。

今年も
誰も気がつかない程度の
咲き始めの
桜を愛でたいな。